「新幹線の車内販売って、もうなくなったのかな?」
かつて新幹線の旅といえば、車内販売のワゴンが通路を行き交い、アイスクリームや弁当を買うのが楽しみのひとつでした。しかし近年、その姿を見る機会が減り、「今もサービスはあるの?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
この記事では、2025年現在の車内販売の実態を最新情報で解説。対応している路線や提供内容、サービス縮小の背景、そして代わりに利用できる便利な購入方法までを、実際の利用者の声も交えて詳しく紹介します。これから新幹線に乗る予定のある方は、ぜひ参考にしてください。時代とともに変化する旅のスタイルを見つめ直す良い機会にもなるかもしれません。
車内販売って何だったの?まずは基本をおさらい

昔ながらの車内販売のイメージ
新幹線の車内販売とは、乗務員がワゴンを押しながら座席を回り、乗客に商品を販売するサービスです。主な商品は、アイスクリーム、駅弁、飲み物、スナック類、お土産、さらには雑誌や新聞など多岐にわたり、旅の楽しみのひとつとして親しまれてきました。
特に人気だったのが、スプーンが刺さらないほど硬いアイスクリーム。冷凍庫並みに冷えて提供されるこのアイスは、長年ファンに愛されてきました。かつての新幹線旅行では、車内販売の存在が旅情を高める大切な演出でもありました。
また、車内販売の乗務員とのやりとりも旅の醍醐味の一つでした。声かけや笑顔、ちょっとした世間話など、人と人のふれあいが自然と生まれる場所でもあったのです。
サービスの変遷と縮小の背景
2000年代後半から、車内販売の対象列車や提供品目は徐々に縮小傾向に入りました。その背景には、スマートフォンの普及に伴い、乗客が動画を観たり、仕事に集中したりするなど、車内での購買機会が減ったことが挙げられます。また、駅ナカ施設の拡充により、出発前に必要なものを揃える乗客が増えたことも要因です。
加えて、車内販売は人件費がかかり、収益性が低いという問題も抱えていました。その結果、多くの路線で段階的にサービスが縮小されていったのです。さらに、非接触志向やライフスタイルの変化も、こうした動きを後押ししたといえるでしょう。
2025年現在、車内販売がある新幹線は?
対応列車・区間まとめ
2025年現在、車内販売を実施している新幹線は、ごく限られたケースに限られています。
最も顕著なのが東海道新幹線「のぞみ」のグリーン車です。N700S系など最新車両を中心に、グリーンアテンダントによる限定的な車内販売が実施されており、指定された時間帯に飲料や軽食が提供されます。ただし、以前のようなワゴンサービスではなく、座席までの注文スタイルが主流になっています。
また、観光列車やイベント列車など、特別運行の新幹線では一時的に車内販売が復活するケースもありますが、これは例外的なものと考えてよいでしょう。鉄道ファンや旅行愛好者にとっては、こうした特別列車の乗車が楽しみの一つとなっているようです。
提供される商品ラインナップ
現在提供されている商品の一例は以下の通りです:
- ソフトドリンク類(ペットボトル・缶など)
- スナック菓子や軽食(クッキー、サンドイッチなど)
- 人気の硬いバニラアイス
- 限定パッケージのお土産品や地域限定グッズ
特にグリーン車では、乗客一人ひとりに対して丁寧な接客が行われ、紙コップで提供される温かいドリンクが静かな時間を演出します。また、一部車両ではタブレット端末から商品メニューを閲覧・注文できるスタイルも採用され、より快適でスマートな体験ができるよう配慮されています。
代替サービスはある?今できる便利な買い方

駅ナカ施設での事前購入が主流に
近年、新幹線駅構内にある「駅ナカ」商業施設の充実ぶりは目を見張るものがあります。東京駅の「グランスタ」、品川駅の「エキュート」、名古屋の「ギフトキヨスク」などは、まさにショッピングモールさながらの充実ぶりです。
弁当、飲料、スイーツ、お土産が豊富に揃っており、乗車前に気軽に買い物を済ませられる環境が整っています。保冷バッグや専用パッケージも増えており、旅の前のひとときが、ちょっとした楽しみにもなっています。各地域の名物グルメを探し歩くこと自体が、旅の一部として楽しまれている今、駅ナカは車内販売の代替以上の存在になりつつあるのです。
モバイルオーダー・予約型サービス
さらに便利になっているのが、スマホやネットを使った事前予約・注文サービスです。JR東海の「スマートEX」や「EX予約」では、特定の弁当やドリンクをネット上で注文し、駅構内の受け取りカウンターで受け取ることが可能です。
一部の列車では、指定された車内座席まで商品を届けてくれるサービスも実証実験中。これにより、「乗ってから欲しくなった」ニーズにも対応できるよう、進化が続いています。また、モバイルオーダーによって、事前にメニューを吟味できるため、ゆっくり選べるという利点もあります。駅での混雑を避け、待ち時間を減らすという意味でも、非常に実用性の高いサービスといえるでしょう。
実際に利用した人の声と注意点

利用者の口コミ・感想
SNSやレビューサイト、個人の旅行ブログなどでは、車内販売に関するさまざまな感想が見られます。「やっぱり車内販売があると嬉しい」「限定アイスが買えるのが旅の醍醐味」という声がある一方で、「知らないうちに販売終了していた」「あのワゴンがなくなって寂しい」といった意見もあります。
また、グリーン車でのサービスに関しては、「静かな空間でホットドリンクを楽しむ時間が最高」「アテンダントの接客がとても丁寧だった」など、満足度の高い口コミも目立ちます。一方で、「商品が少なくて選べない」「販売時間が短すぎて買えなかった」という実用面での課題を挙げる声もあります。
注意点と事前に知っておきたいこと
車内販売の実施状況は列車によって異なり、時間帯や編成によっても変わることがあります。そのため、利用予定の新幹線に車内販売があるかどうかは、JR公式サイトや乗車前の駅掲示で確認しておくことが重要です。
また、繁忙期やイベント期間には販売品目が限定されることもあるため、「どうしても欲しい」という商品がある場合は、事前の購入か予約をおすすめします。駅弁やお土産の中には数量限定の商品も多く、事前注文に対応していないものもあるので、こまめに情報をチェックしておくとよいでしょう。
まとめ

かつて新幹線の旅を彩っていた車内販売サービスは、2025年現在ではごく一部の列車でのみ細々と継続されています。その代わりに、駅ナカの進化やスマホでの注文といった新しいサービスが生まれ、現代のニーズに合った買い物スタイルが確立されつつあります。
「もう買えない」とがっかりする必要はありません。むしろ事前に好みの商品を確保し、スマートに旅を楽しむスタイルへとシフトしているのです。
これから新幹線に乗る予定のある方は、ぜひこの記事で紹介した情報を活かして、自分に合ったスタイルで車内の時間を楽しんでください。今後さらに進化するであろう車内サービスや駅ナカ環境にも注目しながら、より快適な鉄道旅行を体験してみましょう。