「エベレストはどこの国にあるの?」──そんな素朴な疑問を、地図や表を使ってやさしく解説します。
この記事では、エベレストの正確な場所や周辺国との関係、チョモランマやサガルマータといった別名の意味も紹介。
さらに、登山にかかる費用や年齢制限、単独登山のルールまで最新情報を網羅しています。
小学生に質問された大人でも、この記事を読めば堂々と答えられるようになります。
エベレストを通して、「世界」と「地理」がぐっと身近に感じられる内容です。
エベレストはどこの国にある?地図で確認しよう
この記事では、世界最高峰として有名なエベレスト山が「どこの国にあるのか」を、地図を交えてわかりやすく解説します。
さらに、周辺国との関係や位置情報など、地理的な知識も深められる内容になっています。
エベレストの場所はネパールと中国の国境
エベレスト山は、アジアの中央部にそびえるヒマラヤ山脈の一部です。
その山頂はネパールと中国(チベット自治区)のちょうど国境上に位置しています。
つまり、「エベレストはネパールにある」とも言えるし、「中国にある」とも言えるのです。
ヒマラヤ山脈と周辺国との関係を解説
ヒマラヤ山脈は、エベレストを含めて以下の5つの国にまたがっています。
| 国名 | 関係する山域 |
|---|---|
| ネパール | エベレストの南側 |
| 中国(チベット自治区) | エベレストの北側 |
| インド | 西ヒマラヤ周辺 |
| パキスタン | カラコルム山脈 |
| ブータン | 東ヒマラヤ周辺 |
エベレストが属するのは、ネパールと中国の間のヒマラヤ中部です。
地図で見るエベレストの位置
地図上で見ると、エベレストは「ネパール東部」と「チベット南部」の境界に位置しています。
Googleマップなどで「エベレスト」と検索すると、標高8849メートルの地点が表示されます。
ネパール側からはカトマンズを起点にしてルクラ経由でアクセスします。
中国側からはラサを拠点としてチベット高原を越えて向かいます。
エベレストは1つの国に属する山ではなく、2つの国にまたがる「国境の山」なのです。
エベレスト・チョモランマ・サガルマータの違いとは?
エベレストには、実は3つの名前があることをご存じでしたか?
この章では、それぞれの名称の意味や使われる国、背景にある文化的な違いについて見ていきましょう。
エベレストという名前の由来
「エベレスト」という名称は、19世紀にイギリスがインドを植民地として支配していた時代に付けられたものです。
当時、インド測量局の局長を務めていたジョージ・エベレストにちなみ、1856年に名付けられました。
つまり、これは英語圏による名称で、国際的には最も広く使われている名前です。
「チョモランマ」とは何語?どこで使われる?
「チョモランマ」はチベット語での呼び名で、現地の人々にとっては最も馴染みのある名前です。
「チョモ」は女神、「ランマ」は母なる存在を意味し、「世界の母なる女神」という意味があります。
1950年代以降、中国政府はこのチベット語の名称を正式なものとして使用しています。
「サガルマータ」はどこの国の呼び名?
「サガルマータ」はネパール語での呼び名です。
1960年代にネパール政府がこの名称を公式に採用し、「世界の額(ひたい)」という意味が込められています。
現地の新聞や教育では、この呼び方が一般的です。
3つの名前はすべて同じ山を指しており、文化的・政治的背景によって使い分けられているのです。
エベレストの正式名称は?複数の名前がある理由
エベレストには複数の名称がありますが、「正式名称」と呼べるものはあるのでしょうか?
この章では、名前が複数存在する理由や、国際的な呼称の使われ方について解説します。
なぜ正式名称が一つに定まっていないのか
実はエベレストには「国際的に統一された正式名称」は存在しません。
国連や国際山岳機関などが標準名称を決めているわけではなく、各国が独自の呼称を使用しています。
英語圏では「エベレスト」、中国では「チョモランマ」、ネパールでは「サガルマータ」が一般的です。
国や文化によって名前が異なる理由
名前が複数ある背景には、次のような歴史的・文化的事情があります。
| 呼び名 | 使用国・地域 | 意味 |
|---|---|---|
| エベレスト | 英語圏・国際的 | 測量官ジョージ・エベレストに由来 |
| チョモランマ | チベット・中国 | 世界の母なる女神 |
| サガルマータ | ネパール | 世界の額(ひたい) |
このように、それぞれの呼び名には「その土地の信仰」や「政治的な背景」が色濃く反映されています。
エベレスト登山に関する基本情報
世界最高峰エベレストへの登山は、誰でも簡単に挑戦できるわけではありません。
ここでは、登山にかかる費用やルール、年齢制限など、知っておくべき基礎知識をまとめました。
入山料はいくら?国によって違う?
エベレストの入山料は登山する側の国によって異なります。
2025年時点での最新情報は以下のとおりです。
| ルート | 国 | 入山料(1人あたり) |
|---|---|---|
| 南東稜ルート | ネパール | $11,000(約165万円) |
| 北稜ルート | 中国(チベット) | $8,000(約120万円) |
さらに、ガイドや装備費用を含めると、総費用は300万円〜1000万円以上になることもあります。
登山できる年齢制限と条件
登山可能な年齢も、ネパールと中国で異なります。
| 国 | 年齢制限 |
|---|---|
| ネパール | 16歳以上(下限のみ) |
| 中国 | 18歳〜60歳(上限あり) |
なお、中国側では60歳を超えると登山申請ができません。
健康診断や医師の証明書なども必要とされる場合があります。
単独登山の禁止や最新の規制情報
近年、事故や救助の困難さからネパールでは単独登山が禁止されています。
これは2017年12月に法改正されたもので、現在も有効です。
ネパール政府は「ガイドなしでの登山は禁止」と明言しており、必ずガイド付きでの登山が必要です。
無許可での登山や規則違反が見つかると、罰金や今後の登山禁止措置などのペナルティが科されます。
まとめ:エベレストはどこの国にあるのか、名前やルールまで一挙解説
ここまで、エベレストの場所や名称の違い、登山に関するルールについて詳しく解説してきました。
最後に、本記事のポイントを整理しておきましょう。
| 項目 | ポイント |
|---|---|
| 場所 | ネパールと中国の国境に位置する |
| 名前の違い | エベレスト(英語)、チョモランマ(チベット)、サガルマータ(ネパール) |
| 正式名称 | 国際的に統一された名称はなし |
| 入山料 | ネパール:約11,000ドル、中国:約8,000ドル |
| 年齢制限 | ネパールは16歳以上、中国は18〜60歳 |
| 単独登山 | ネパールでは単独登山は禁止 |
エベレストはただの「高い山」ではなく、国境・文化・宗教・法律が交錯する特別な存在です。
「どこの国にあるの?」という素朴な疑問の背景には、驚くほど奥深いストーリーが広がっています。
ぜひこの記事をきっかけに、エベレストに対する理解が少しでも深まれば幸いです。

